令和6年度こどもセーフティセミナー「子供を安全に寝かせるための環境づくり」開催レポート

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2025年3月24日に、「子供を安全に寝かせるための環境づくり」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。

本セミナーは、子どもの事故予防の専門家である東京科学大学工学院 機械系 教授の西田佳史氏と、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 主任研究員 大野美喜子氏を講師にお招きし、子どもの睡眠時の行動や安全に寝かせるための環境づくりについて解説。さらに受講者の皆さまとの質疑応答など、今すぐ参考にできる内容となっています。

なお、乳幼児の保護者・祖父母には親しみやすく、事業者・事故予防に携わる研究者にはより専門的な内容とし、保護者向けと事業者向けの2回に分けて開催しました。

以下よりオンラインセミナーのアーカイブ動画をご覧いただけます。ぜひご視聴ください。

セミナーテーマ「子供を安全に寝かせるための環境づくり」
保護者向け 約30分
事業者向け 約35分
プログラム1.講師紹介
2.プロジェクトコンセプト説明
3.調査研究の内容や事故予防策の解説
4.お寄せいただいた質問への回答
西田佳史先生

講師

西田佳史氏

NPO法人Safe Kids Japan 理事/国立大学法人 東京科学大学 教授 博士。
子供の事故予防の専門家。研究機関、行政機関、事業者などと連携し、子供の生活支援・傷害予防などの社会課題を解決する工学技術の開発を進めている。

大野美喜子先生

登壇者

大野美喜子氏

NPO法人 Safe Kids Japan 理事/産業技術総合研究所 人工知能研究センター 主任研究員。
子供を対象とした安全授業の実施や,各種講座、研修の講師などを務める。2児の母。

令和6年度こどもセーフティーセミナー(事業者向け) アーカイブ動画

令和6年度こどもセーフティーセミナー(保護者向け) アーカイブ動画

https://youtu.be/A0Ts0g94tnE

こどもセーフティセミナーの内容

「こどもセーフティセミナー」の内容や見どころのポイントを紹介します。

セーフティ・レビューの提言について解説

子どもの睡眠環境における事故について、科学的な分析結果をもとにした事故予防の提言を西田佳史氏が解説。

本セミナーでは、家庭訪問による睡眠環境の実態把握(寝具等の硬さ測定等)や子どもの睡眠行動把握(寝返りによる移動量の分析)などによりエビデンスを収集し、取りまとめた事故予防の提言をご紹介しています。

事故予防の提言の詳しい内容はこちら

専門家が視聴者からの質問に回答

視聴者から寄せられた主な質問に、西田佳史氏と大野美喜子氏が回答しました。


◆保護者向けセミナーより


<質問1>

まだ寝返りはできないものの、脚力で動きまわりベビーベッドの柵に足や頭をぶつけてしまいます。ベビーガードは窒息の危険があると聞いたのでつけていませんが、何か対策はないのでしょうか。

<回答>

自分で動き回って柵に手足・頭をぶつけることを心配されている保護者の方はたくさんいらっしゃいますが、特に心配しなくても大丈夫だと言われています。心配しすぎなくて大丈夫です。なお、子どもは寝床を上に移動する習性があるので、海外ではベッドの下の方で寝かせ始める人もいます。

<質問2>

多胎児を育てていると、どうしても見守りをしきれない状況があります。多胎児育児の事故防止のポイントを教えてください。

<回答>

多胎児育児の場合は、見守る対象が増える分どうしても目を離す時間も増えます。理想を言えば、双生児であれば二人分のベビーベッドを設置することですが、一人分のベビーベッドを設置するのも難しいというご家庭では、子供用寝具を床に敷いて、二人分を確保するということが次善策となると思います。


西田佳史氏


◆事業者向けセミナーより


<質問1>

保育施設の午睡の際に、ぬいぐるみがないと眠れない子どもがいます。子どもの安心は大切なので、ぬいぐるみを側に置いて寝ついたらすぐに外すようにしていますが、どのような対応が望ましいのでしょうか。

<回答>

ブランケットと同様に、ぬいぐるみにも窒息のリスクがあります。子どもの安心は大事ですが、音楽をかけるなど他の方法を探すことが大切だと思います。

<質問2>

保育園の睡眠時の事故でどのようなことが起こり得るのか、事例を教えていただきたいです。

<回答>

保育施設では、うつ伏せによる死亡事故が多いです。その他には、寝かしつけの事故も含めるなら、布団につまずいて転倒したり、寝返りをした際に脱臼したりという事例も報告されています。

<質問3>

家庭での睡眠環境と保育園の午睡の環境とで、注意点が異なるのであれば教えてください。

<回答>

対策方法として大きな違いはありません。保育施設の場合は子どもと過ごす環境が整っているので、家庭よりも子どもの様子が確認しやすい側面はあると思います。ただし一方で、子どもの人数が多いので、やはり保育施設のガイドラインに沿って丁寧な対策ができているかが重要ではないでしょうか。


大野美喜子氏

これからも子供の事故予防に関する情報を発信していきます

東京都こどもセーフティプロジェクトでは、これからも「変えられるものを変える」という視点にもとづいて、役立つ情報を発信していきます。


詳しい情報が知りたい場合は、こちらをご覧ください。

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