令和7年度こどもセーフティセミナー「誤飲・誤えんによる事故を防ぐための環境づくり」開催レポート

このコラムをシェアする

  • Xシェアする
  • Lineシェアする
  • Facebookシェアする

2026年3月25日に、「誤飲・誤えんによる事故を防ぐための環境づくり」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。

本セミナーは、子どもの事故予防の専門家である東京科学大学 工学院機械系 教授の西田佳史氏と、日本中毒情報センター理事・つくば中毒110番施設長で薬剤師の高野博徳氏を講師にお招きし、安全な環境づくりについて解説いただきました。また終盤には、視聴者の皆さまから寄せられた質問に回答するなど、すぐにでも参考にできる内容が詰まっています。

なお、乳幼児の保護者・祖父母には親しみやすく、事業者・事故予防に携わる研究者にはより専門的な内容とし、保護者向けと事業者向けの2回に分けて開催しました。

セミナーの様子は、アーカイブ動画として以下のリンクからご視聴いただけますので、ぜひご覧ください。

開催日時2026年3月25日(水) 約35分間
プログラム1.プロジェクトのコンセプト説明
2.講師紹介
3.調査研究の内容や事故予防策の解説
4.お寄せいただいた質問への回答
西田佳史氏

講師

西田佳史氏

国立大学法人 東京科学大学 工学院機械系 教授。特定非営利活動法人 Safe Kids Japan 理事。日本学術会議 連携会員。産業構造審議会委員。消費者安全調查委員会 臨時委員。
人間行動の計測技術、モデリング技術、シミュレーション技術の研究傷害予防工学(キッズデザイン)、高齢者の社会参加の研究に従事している。

高野 博徳氏

登壇者

高野 博徳氏

公益財団法人日本中毒情報センター 理事・つくば中毒110番施設長
「中毒情報のプロフェッショナル」として、家庭内の誤飲・誤食等の身近な事故から意図的な過量服薬、工場等の集団災害や化学物質によるテロ等の危機管理まで、幅広い分野において活動を行い、薬学を通して国民の健康・医療に貢献している。

こどもセーフティセミナーの内容

「こどもセーフティセミナー」の内容や見どころを紹介します。
子どもの誤飲・誤えんによる事故について、今年度東京都が取り組んできた調査研究に基づいた事故予防策を西田佳史氏が解説。
さらに、中毒110番における電話相談の現状を踏まえ、子どもの誤飲・誤えんによる事故の予防について高野博徳氏が解説しました。

なお、東京都が「誤飲・誤えんによる事故」をテーマに取りまとめた事故予防策の提言の詳細については、以下のリンクをご覧ください。

専門家が視聴者からの質問に回答

視聴者の皆さまから寄せられた主な質問に、西田佳史氏と高野博徳氏が回答しました。

◆保護者向けセミナーより

<質問1>

誤飲・誤えんによる事故が発生しやすい時間帯はありますか?
また、子供が誤飲・誤えんをしたかなと思ったとき、まずどう対応すればよいでしょうか?

<回答>

東京消防庁の救急搬送データによると、夕食時、保護者も忙しくなる時間帯に多発しています。CR(チャイルドレジスタンス)や保管方法の検討など、見守りに頼らない対策が必要です。誤飲・誤えんが起こってしまったら、窒息が起こっているかを確認し、窒息がある場合は、背部叩打法などの応急処理を行う、救急車を呼ぶなどが必要になります。また、飲み込んでしまったものを無理に吐き出させず、病院を受診することが大事です。

<質問2>

実際にどのような事故が多く発生していますか?
大人が見落としがちなものや意外な事例などがあれば教えてください。

<回答>

帰省先での誤飲が挙げられます。ご自宅ではさまざまな誤飲事故対策を講じられていても、帰省先では対策が講じられていない場合があります。例えば、服用前の祖父母の薬が机上に出ていたり、灯油缶がそばに置かれていたりと、さまざまな危険があります。
次に、幼稚園や小学校から持ち帰ったものによる事故が挙げられます。例えば小学校で育てたアサガオの種を持ち帰り、それを下の子が食べた事例があります。
大人用グミサプリの誤飲も挙げられます。お菓子との区別が付かない子どもにとって、大量に食べてしまう危険性が高く、注意が必要です。

◆事業者向けセミナーより

<質問1>

年齢や発達段階で特有の誤飲・誤えんによる事故について教えてください。
また、事故を防ぐ対策やポイントについて、あまり知られていないものがあればお伺いしたいです。

<回答>

たばこの誤飲などは2歳未満の低年齢で多く発生しますが、サプリメントなどは食べてしまっても不味いと感じない場合もあり、2歳以上の年齢の子供でも事故が起きています。また、ボタン電池や磁石などは危険性が高く、取り出すために手術に至った事例もあります。
製造者であれば、製品から危険物を簡単には取り出せない構造(CR)を採用することが大切です。

<質問2>

事故を防ぐために、各業界から出ている規定や基準に倣い、遵守して研究開発や設計を行っていても事故が発生します。さらにどこに注意すればよいのか、お伺いしたいです。

<回答>

窒息など、安全基準が未整備の分野が数多くあるため、まずは業界で安全基準の作成を進めることが必要だと思います。
それを待たずに行う方法としては、リスクアセスメントをしっかりやるということですが、東京都が最近公開した「子供の事故情報データベース」を活用し、過去に発生した事例をよく調べることが重要です。未知の事故というものは滅多になく、繰り返し発生する傾向があるため、過去の事例を確認し、対策を練る必要があります。

これからも子供の事故予防に関する情報を発信していきます

東京都こどもセーフティプロジェクトでは、セミナーでも紹介した「危ないところを変える」という考え方に基づいて、子供の事故予防に向けて役立つ情報を発信しています。
詳しい情報が知りたい場合は、こちらをご覧ください。

ページトップへ