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vol.31
子どもの転倒・転落を減らすには?事例から考える製品の安全対策
〜子どもを守る製品開発のヒントPart2 〜

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子どもの転倒・転落事故は、家庭内でも日常的に発生しています。一方で、事故の背景を詳しく見ると、使用者の注意不足だけでなく、製品の構造や部品、設計上の要因が影響しているケースも少なくありません。こうした点は、製品開発によって改善の余地がある部分でもあります。
そこで、「子供の事故情報データベース」に登録された事例をもとに、製品等に原因がある転倒・転落事故について、起因物のランキングを作成しました。

1位の「自転車」では、走行中にペダルなどの部品が外れた、前輪がロックされて転倒したなどの報告が多く寄せられています。2位の「ベビーカー」も、ネジが外れるなどの部品不良に起因する事故が多く見受けられました。
3位は「ベビーチェア」など椅子からの転落です。ベルトが外れたり、バランスを崩したりして、椅子ごと転倒するケースも少なくありません。また、5位の「抱っこひも」では、子どもの反り返りによってバランスを崩したり、バックルが外れてしまったりすることで転落してしまう事故もありました。

こうした事故を減らすために、ここからは子どもの安全に配慮された製品づくりの事例を紹介します。

ベビーチェア

家庭用ベビーチェアでは、ベルトによる固定だけに頼らず、座面や足置きの位置を細かく調整して、子どもが立ち上がりにくい姿勢を自然につくる設計があります。
また、脚部を広く配置することで、体重移動が起きた場合でも転倒しづらいようにするなど、子どもの予期できない動きにも対応する構造的な工夫が施された製品もあります。

抱っこひも
子どもの反り返りに対しては、肩や腰に荷重を分散させる構造によって、正しく装着された状態を維持しやすくした製品があります。バックルが外れてしまう事故に対しては、子どもが誤って触れてしまっても、複数の操作を伴わなければ外れない構造など、使用者の操作ミスや誤装着のリスクを軽減 できる設計をすることで、抱っこ中の子供の落下事故を防ぐ工夫がみられます。

これらはいずれも、使用時の注意喚起に頼るのではなく、子どもの動きや使用者の行動特性を踏まえて「誤使用が起きにくい状態」をつくる設計といえます。

そのほか、特殊な緩衝材により転倒時の衝撃を吸収するフローリング も商品化されています。事故に起因する“モノ”だけでなく、転倒してしまっても被害を最小限に抑える工夫も大切です。

子どもの事故については、製品を安全に使用する だけでは防げない事故がどうしても存在します。今回紹介した事例が、製品開発・改良の気づきやヒントになれば幸いです。

子供の事故情報データベースでは、転倒・転落に限らず、製品に関するさまざまな事故事例のほか、子どもの事故に関する論文なども一元的に検索可能です。今後の製品開発にぜひお役立てください。

※本コラムのランキングは、子供の事故情報データベースに登録された情報のみをもとに作成しています。
※子供の事故情報データベースには同一の事故が重複して登録されている場合があります。

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