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子供の世界を体験しよう!

vol.005 
子供の成長に応じた事故予防とは? 年齢別の事故傾向と子供を知る体験グッズを紹介

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東京都では、1日あたり36人もの子供が救急車で運ばれています。

子供は日々成長し、行動範囲もどんどんひろがっていきます。救急搬送される子供はとくに1〜2歳が多く、月齢別・年齢別の事故傾向を知ることが大切です。

東京都こどもセーフティプロジェクトでは、子供の成長や行動に合わせた「危ないところを変える」環境づくりの考えを軸にして、事故予防に向けた取り組みを行っています。

子供の年齢に応じた特性を知り、安全・安心な子育て環境を築いていきませんか。

年齢でみる子供の事故傾向、身近な危険を学習ソフトで学ぶ

赤ちゃんがハイハイ 子供がソファーの上に立つ

子供は年齢や発達段階に応じて行動や特性が変わります。周りの大人が子供の行動特性をあらかじめ知り、適切に対策することで防げる事故があります。

0歳

生後5か月頃まではじっとしているように見えてよく動きます。寝返りをしてうつぶせになり、マットやクッションに顔が埋もれて窒息につながるケースや、ベビーベッドからの転落といった危険も増えます。顔の近くに布やビニール袋、紐などを置かないようにしましょう。また、ベビーベッドは必ず柵を上げて使用しましょう。

6か月から1歳頃は、ハイハイやつかまり立ちが始まります。段差で転ぶ、ドアなどに指を挟む、つかまり立ちをしようとしてテーブルクロスを引っ張ってしまい、お湯の入ったコップなどを倒して火傷するといった事故が起こりやすくなります。また、興味のあるものを口に入れるようになり、タバコやボタン電池などを飲み込む危険も増えてきます。

1〜2歳

ひとり歩きをするようになると、つまずいたり階段やイスから転落したりする事故が増加します。また、火傷や窒息、浴槽での溺れるリスクも高まります。

3〜6歳

3歳を過ぎると外遊びが増え、走ったり飛び跳ねたりするようになります。子供は視界が狭く、夢中になると周りに注意が向きにくいです。そのため、道路への飛び出しによる事故の危険性が高まります。夏にはプールや海、川での水難事故が起きています。ライフジャケットを着用させ、保護者や大人は子供から目を離さず、付き添いながら遊ばせるようにしましょう。

乳幼児の救急搬送が多いケースは、転倒や転落による事故です。入院を必要とする中等症以上の割合で見ると「溺水」の事故がもっとも多くなっています。中でも突出しているのは自宅の浴槽での事故。子供は少しの水でも溺れてしまいます。

東京都では、大人が子供にとっての身近な危険を実感できる「乳幼児期の事故防止学習ソフト」を公開しています。成長過程を4段階に分け、注意すべきポイントをアニメーションとクイズで学べます。子供の成長に合わせた事故の予防策を知ることができるので、ぜひ活用してください。

子供が事故やケガをしたときに、どんな対応をすればよいか悩むことがあるかもしれません。そんなときは「東京都こども医療ガイド」をご覧ください。シチュエーション別の対処方法を解説するほか、応急処置や相談窓口なども紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

子供の世界がわかる!? 体験グッズで子供を知ろう

大人と子供の水平方向、垂直方向の視野角

子供の視界が体験できるツールや、誤飲するものの大きさの目安がわかるグッズを紹介します。

チャイルドビジョン

大人と子供の視界に、大きな差があることをご存じですか? 大人の水平方向の視野が約150°であるのに対し、子供は約90°しかありません。また垂直方向の視野は大人が約120°あるのに対し、子供は約70°と言われています。
東京都版チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)を使って、子供の視界を体験してみませんか。

リンク先から実際のサイズで印刷し、のりで厚紙に貼り付け、はさみで黒線に沿って切り取って組み立てます。完成したら、子供の目の高さでメガネをのぞいてみましょう。子供は視界が狭く、周囲の危険に気づきにくいことがわかります。

誤飲チェッカー

幼児が口を大きく開けた時の大きさは、直径約4cm。これより小さいものは、誤飲してしまう恐れがあります。
市販の誤飲チェッカーなどを使って、身の周りのものの大きさを測り、誤飲の危険があるか確認することも大切です。
誤飲チェッカーは乳幼児の誤飲や窒息事故防止のために開発された計測ツールです。透明の円筒で、乳幼児の飲み込めるサイズがわかります。
そのほか、大人の親指と人差し指の先をくっつけて、直径約4cmくらいの円を作り、それを目安にするのもよいでしょう。

幼児が口を大きく開けた時の大きさと誤飲チェッカー
山中龍宏先生

緑園こどもクリニック 院長

山中龍宏先生(小児科医)

大人の安全を中心に設計された暮らしのなかでは、子供にとっての危険がたくさんあります。子供の目線で安全な環境をつくってみませんか。

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